妻籠宿で実演をしていると、色々な地域のお客さんが足を止め、お話をしたりしていきますが、先日ちょっと困ったことがありました。
実演ももう終わりに近づいた4時過ぎにやってきた、外国人(チェコから)の二人組さん。
英語であれやこれやと話して相談しながら、気に入ったペンが見つかったらしいのですが、嫁ちゃんに英語で何やら聞いているご様子…
嫁ちゃんが何を聞かれているのか分からず困っていたので私が代わりに対応したところ、試し書きにおいてあるサンプルのペンのクリップを指さし『クリップを外して欲しい』というようなことを話しているようで、外せばいいの?と言ったニュアンスのことを話すと『YES!』との返答。
お客さんが持っていた新品のペンのクリップを工具で外したところで、話しかけてみたところなんだか不満気な外国からのお客さん。
サンプルのペンを持ち出し、色々と説明をしだしたため、よ〜く聞いてみるとサンプルのペンを指さして、
『僕はこのペンが欲しいんだけどクリップのメッキが剥げてしまっているから換えて欲しいんだ』
ちなみに、その時お客さんが欲しがっていたのは、妻籠宿に行き始めた頃から試し書きに使っている、当店でも一番古株の10年ものの大切なケヤキのペン。
手前がサンプルの10年もの、奥が新品のケヤキのペン
さすがに古株の大切なサンプルのペンを売るわけにも行かず『10年使ったサンプルで、これは売り物じゃないんです。(新品のケヤキのペンを取り出し)新品でも5年くらい使えば同じようになりますから〜』と説明するとなんだかとってもショックなご様子…
その後は、経年変化したケヤキのような色味の別のペンを探したりしましたが、結局木目や色味が気に入るペンは見つからず、
どうしてもこの色艶のペンがほしいんだ。頼むよ〜!
とPleaseを連呼…
あまりに熱烈なため、ダメだと思うけどボス(母)に電話で聞いてみたり(当然ダメだとの返答)、売って!売れないの問答が40分くらい続きましたが、最後はお客さんが根負けし、同じケヤキの新品のペンを買って行かれました。
ちなみに『サンプルのペンが欲しい』と言われることはよくあるのですがここまで粘られたのは初めてでした(^_^;)
みなさんも、経年変化したペンを欲しいな〜と思われたら、新品を使い込んで自分の色に経年変化させてあげて下さいね!!
コメント
サンプルを買う・・・その発想はなかった
それにしてもサンプルの欅は良い色ですねえ
手入れしてたりするんでしょうか?
それとも試し書きだけでこうなったんでしょうか?
サンプルのケヤキはお客さんの試し書き+時々オイルでメンテナンスくらいでしょうか…
何にしても10年試し書きでここまで変わりましたw
他にも以前ブログに紹介した梅干し色の梅のペンとか、古いサンプルはそれだけで貴重です。
あ、もちろん売れませんのであしからず…
オイルと言えば椿油塗っても大丈夫ですか?
椿油でも問題はないですよ。
私は鉋の台(樫)や刃物によく塗っています。
椿油は酸化しにくいので刃物の保護に適しているんですが、この酸化は木の色の変化にも影響するので、それが少ない椿油の場合、酸化による色の変化を遅らせるのに適しているのではと思います。
ただ、椿油は固まりにくいので、つけたらよく拭き取るようにした方がいいかもしれません。
こんな色になるケヤキって、なにか特徴はあるんですか?
もとは色が濃いとか・・・
基本的に元の色が薄くても、使い込むことで濃くなるため、元の色の濃い薄いはあまり問題ではないです。
むしろ濃い材だとより濃くなってしまい木目が見えにくくなってしまったりします。
ただ、ケヤキに関しては木目の細かい材より粗い材の方が固くしまっているため、艶が出やすいですね。
失礼、「は、」ではなくて「が」でしたね
確かにサンプル,,,欲しい!。