先週の予告通り、新しく『樫のペン』を追加しました。
「金は貸し(樫)ても、借りない(花梨)」ということで、花梨と共に商売繁盛の縁起木です。また、かし(樫)こくなるとも言われ学業成就の縁起木でもあります。
パッと見ではちょっとインパクトに欠けるところもありますが、木材としては最もたくさんの人の目にふれ、触っている材ではないでしょうか?
『え?そんな木知らない触ったこともないよ~』といった方、農作業用のクワやスコップ、木工用のカナヅチやハンマー、ノミ、カンナ等…使った経験のある道具はありませんか?これらの道具類の柄や台にほぼ確実に樫が使われています。
また、これら以外にも太鼓のバチや一部の野球のバット、木刀、鉄道の枕木としても使われているので見たこともないという方はほとんどいないんじゃないでしょうか…
あ、あと、ドングリがなるのはこの木なので、実なら間違いなくみんな知ってるはずw
さて、これだけ道具類に多用されているのには、ちゃんと訳がありまして…まぁ樫の木の漢字を見ればすぐ分かるんですが、とにかく堅いんですね。
それもただ堅いのではなく重く緻密で粘りがあって耐衝撃性、耐摩耗性が高い強靭な方の意味でです!
そのため、折れにくく長持ちするため、力仕事全般の道具類の柄にうってつけという訳です。
その強さの秘密はというと、樫の木特有の斑『樫目』にあります。
木の中心から放射状にでる斑で上の写真だと、ペンの側面にある黒く細長いポツポツで、上側の木目は斑の断面となります。
*樫の木は散孔材のため、本来の木目は不明瞭で分かりにくい。
この樫目は非常に堅く、粘りのある木部と直行し、縦糸と横糸のように折り重なっているため、強靭で衝撃に強く耐摩耗性が高い材となっているという訳です。
日本各地で自生しており、樹木自体も家の石垣や防風林などに多く使われているため、ある程度安定して手に入る材でもあるんですね。
そう、入手が楽で非常に強度があるため、まさに道具にうってつけの材という訳なんです!
道具として、あまりに身近にありすぎて知らなかった樫の木、これを読んで普段使っている道具がちょっと身近に感じられたらと思います。
さてさて、保存性の高い『栗』、強靭で耐摩耗性の高い『樫』と来ましたが、上には上がおりまして、来週は『日本最強クラスの重さと強度』をほこる材を追加&ご紹介します。お楽しみに~♪
コメント
樫はどういう風に経年変化するんですか?
樫の経年変化ですか…樫のペンを自分で使っていないのですが、鉋とか道具見るかぎり、黒くなる傾向にあります。
メンテナンスで蜜蝋とか使えばツヤも出てくるんじゃないでしょうか…
樫って瘤とか虎杢とかってあるんですか?
もし有ってペンにしたらいくら位ですか?
匿名さん
どのような木材でも、瘤や虎杢(縮杢)は出る可能性があり樫の縮杢に関しては、枝に近い場所で縮に近い物は見たことがあります。
ただ、非常に堅牢な樹種のため縮みは出にくいですね。
瘤に関しては密度があり内部割れがない瘤というのは限られるため難しいかもしれません。
ペンにした場合ですが、そういった材が今のところ手元にないため金額はお答えいたしかねます。ご了承ください。
なるほど、硬い木は縮みにくいんですね。
ついでに質問なのですが、持ち込みって長さ17センチ、厚み約3センチの材では厳しいですか?
何度もすみません。
匿名さん
持ち込み材に関してですが、16ミリx16ミリx90ミリの寸法が取れれば対応可能です。
ただ、現在受注が大変多いため、年内の持込の特注制作及び受注を休止しております。
なんとぞご了承下さい。