車に轢かれた栗のペンの修理・Part2

修理木のボールペン

今回の修理は車に轢かれた栗のペン。
ペンケースごと道路に落としてしまい、車に轢かれてしまったとのこと。

状態としては、木部に打痕が複数と割れが3箇所、内部のパイプからも一部剥離している状態。ただ、そんな状態でも、内部機構は無事で筆記自体は可能でした。
長年愛用した一本、治せるのであれば治したいということで、可能な範囲での修理となりました。

修理完了後の栗のペン
(修理前の画像を撮り忘れてしまいました)

分解し、割れによる剥離を接着しつつ、割れを埋め、木部の再研磨後に金具を取り付けて完了。

・部品について
基本的には外した部品は新品交換となりますが、今回は、元々ついていたものが運良く外れたのと、再利用をご希望だったため、そのままつけ直しとなっています。

打痕と割れ部分

複数ある打痕の一部

こちらも打痕とその影響の割れ

それにしても、白い栗が随分と色濃くなり、縮杢もいい感じですね♪

なお、割れの補修自体は可能な範囲でしっかり行いましたが、打痕についてはほぼそのままとなります。

・打痕について
ほとんどの場合見た目以上に深く、削って対応すると金具との段差や、木部の歪みが出て、かえって使いづらくなるため、研磨による補修は行っていません。また、補修材で埋めた場合その部分だけ不自然で逆に目立ちますし、木目の風合いを損なうため、対応しておりません。
(修理の過程で再研磨をする場合もありますが、形状を変えないよう最小限にとどめており、打痕が消えることはありません。)

車に轢かれたペンの修理は、覚えている限りでは2度目のレアケースで、大手術でしたが、なんとか使える状態に修理することが出来ました。
打痕は残ってはいますが、それも思い出として、これからも使ってもらえたら幸いです。

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