物作りを生業として、直販でやっていますと、時折商品を買ったお客様からの声というものが届きます。
時にはお電話だったりお手紙だったり、最近はネット販売の影響もあり商品到着後にメールでご連絡をいただくこともあります。
この様な『お客様からの声』というのは作り手にとって励みとなりますし、なによりうれしいものです。
そんな中から、今回は一通のメールをご紹介いたします。(掲載許可はもらっています)
京都在住・Oさん
昨日、下記の商品が無事届きました。有難うございました。
商品は、思っていた以上の作品でした。良い仕事をされていると感服致しました。
数年前より、身の回りの道具や品々に、なるべく国産の伝統工芸品を用いた生活を送ることを心掛ける様になりましたが、いざ現代の日本社会の生活様式において、実用品としての品を探すとなると、今日では中々見つけるのが難いのが現状です。
多くの伝統工芸品は、価格が高いわりには、土産物の置物としては良いのかも知れませんが、品質及びデザイン的に今日の日本の日常生活様式での使 用に耐えないものが多く、柳宋悦による「民芸品」と呼べるものが少なくなっていると思います。
しかし、野原工芸さんのペンは、全ての点において、「民芸品」を名乗るに相応しい作品であり、道具だとも思います。部品の細部まで、よくよく吟味、検討されて、作り込まれている品です。
ペンのフォルムや持った感覚は、ドイツ近代工芸運動の中心であるバウハウスの影響を受けているラミー社のラミー2000シリーズを思わせますが、南木曽ろくろ細工の技を用いた、特に国産の木材を用いた木軸を多用し、野原工芸独自の1つの完成された作品だと思います。
私は、今回、御社のWebを拝見し、そこから感じたモノ作りの姿勢から、此方のペンとは長く付き合いたいと思い、経年変化が楽しめる桑材 のペンを購入いたしました。本作品はそれに確実に答えてくれる予感が致します。
長くなりましたが、今後日常生活で大切に使わせて頂きます。良い品を有難うございました。重ねてお礼申し上げます。
Oさんは『民藝』に造詣が深い方の様で、そのような方から当店の物作りへの姿勢を的確に捉えていただけたことは大変嬉しく、見る人は見ているのだからこれからもしっかりやらないと…と身の引き締まる思いでした。
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