オイル塗装のお話

先週のことですが、ろくろ組合にて、オイル塗装の講義があり、参加してきました。
今回講師に来ていただいたのは、当店でもオイル塗装全般に使用している、アトリエべルの社長、鈴木光明さん。
暴風雨の中、車をかっ飛ばしわざわざ東京からお越しいただきましたw
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さて、オイル塗装の講義…と、言っても木工を生業にしていて、ある程度知識を持っているプロの人達ばかりを相手にしての講義で、その辺を講師の方も充分に理解されていたみたいで、内容はかなり面白くそして深いものでした。
*お話は基本的に木製の内装材や家具小物等を中心にの内容です。
まず、第一声が、「基本的に木に塗装はしないほうが良い」
オイルであろうとウレタンやその他科学塗装であろうと、漆であろうと、どんな塗装をしても劣化していくものなので必ずメンテナンスが必要になり、そういったメンテナンスの簡単にするには塗装はできるだけしない方がよく、また、アレルギー等の過敏症の観点からも無塗装のほうが人体に負担がかからないし、塗装をすること自体が環境にとって少なからず負担になるのだから、塗装をしないことから考えるべきとのこと…
例として、お寿司屋さんのカウンターの話が出たんですが、無塗装にて使っていたらカビが生えたらしく、塩水で毎日拭くよう指示したら一月程で消えてしまったとか、日々のメンテナンスで随分と変わるようです。


講義の中で、いわゆるオイル塗料に含まれる原料がどういうものなのかをお話しいただきながら、実物を実際に見て触らせていただきましたが、どれも本当に自然界にあるもので(実際に塗料としてく使うためには畑のように管理し、採れたものを精製しないといけないが)石油や石炭を使った化学塗料とは明らかに違いました。
そして、今回の講義では、その材料を実際に使い、調合して、その場で鈴木さんが販売しているワックスを制作しました。
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まるで料理教室のごとく先生の指示で、素材を測っては鍋に入れ、火にかけてはタイミングをみて更に素材を調合…みんなでワイワイしながら製作でした。それにしても、データや表なんかを見せられるより、実際に説明を受けながらその場で調合して作っていくのを見ると、安全性にたいしこれ程説得力があることはないですね♪
成分の名前を全て開示しているアトリエベルの塗料、今回は分量も教えてもらい、鈴木さんいわく「ぜひ次回からご自分で作って下さい」とのこと…確かにできると思いますが、簡単に手に入らない材料もあるので難しい。
*ちなみに、素材だけでも鈴木さんは売ってくれるみたいでしたw
また、ビックリしたことに、塗料の制作中(調合中)に換気を必要としなかったこと…これは素材の安全性の高さを如実に物語っていました。実際部屋の中はアロマオイルの香りみたいな状態になっていましたし…まぁ最後に精製アルコール(飲める方)を混ぜたので酔う人はいるかもしれませんでしたがw
ということで完成したワックスはみんなで分けてお持ち帰り、実際使ってみてくださいとのことでした。
一癖も二癖もある講師の鈴木さんでしたが、塗料が人や環境に与える影響を非常に熟慮され、実際に行動されている方で、塗装のあり方をよくよく考えることになる機会となり勉強になりました。
ちなみに、鈴木さんにお会いするのは今回が初めてだったんですが、当店のオイル塗装はアトリエベルの物を昔から使っており、そういった深いところまで考えて作られた塗料だったのだと知ってなんだか嬉しかったです。
おまけ・自然塗料、化学塗料、どんな塗料よりも、『漆が優れている』というのは塗料の研究者さんみんな一致しているみたいです。
簡単に説明すると様々な溶剤によるテストでも全般に強く、強度試験や硬度試験でも非常に高い性能があることが分かっているとのこと。また素材そのものが自然のものなので環境面でもベストで、塗料のなかではかなり優れているみたいです。
ただ、問題点もあり、取り扱いが難しくなによりかぶれること。唯一の弱点として陽の光に弱いとのこと。(漆は塗り直しが効くのでメンテナンスすれば良いみたいですが)