特上カリン瘤杢のペンの修理

今回は5年ほど前の変わり杢で販売した特上カリン瘤のペンが2本修理に帰ってきたのでご紹介します。
一本は洗濯してしまい、一本は落とした際にヒビが入ってしまったための修理(2回目)で、2本とも症状が異なりますが、どちらも分解してからの作業となりました。

ただ、修理前の写真を撮り忘れてしまったので、洗濯してしまったペンの金具の写真から↓

洗濯してしまうと、中のインクが漏れだし、部品内部や木部にべっとりとインクが染みついてしまいます。
そのため、ノック部分の内部機構にインクが入り込むと、ノックが重くなり、最悪の場合動かなくなってしまいます。
分解洗浄すればある程度治すこともできるのですが、溶剤を使う関係で、内部の樹脂パーツにどんな影響が出るかわからないのと、金具の塗装を剥がしてしまう場合も考慮し、金具は全交換となります。

と言うことで、完全に分解し木軸部分の染み抜きと内部の洗浄を行い、新しい金具を取り付けました。
*木部の染み抜きと言っても直接手に触るものに強力なものは使えないのと、木自体が傷んだり脱色してしまうのも困るので、複数回エタノールを塗布しては拭き取る程度です。

木部の洗浄が終わったら、旋盤にて研磨とオイル塗布をし、部品を組み付け完了。

インクが染みこんで黒くなってしまっている場所がまだありますが、艶も戻ってずっと良くなっています。

そして二本目、割れてしまったペンの方。
こちらは一度割れを埋める補修をしたものだったのですが、その後更に割れが広がってしまったということでの再補修。

部品を一旦すべて外すところまでは一緒で、その後は以前の補修時に埋めたパテと割れにたまったゴミを可能な限り掻き出し、こちらも軽く洗浄し油分をなるべく抜きます。
その上で新たに接着剤と木材の粉末を混ぜたパテを割れに塗りこみ、硬化後に旋盤で研磨とオイル塗布をして、元の部品を取り付け完了。

割れを可能な限り埋めて補修した状態。
ちなみに今回パテに使った粉末は、色が濃くなった時に色が馴染むよう、カリンにローズウッドを混ぜたものにしました。

ということで、無事に2本とも綺麗な状態に↓

左が洗濯してしまったペンで、右が割れの入ってしまったペン

インクが染み込んだせいか洗濯してしまったペンの方が全体の色が濃く感じますが、どちらも新品の状態とは一味違うなんとも言えない風合いを残したまま綺麗に修理が出来ました♪

コメント

  1. なべ より:

    いつもお世話になっております。
    ペンの持ち主です。
    丁寧な修理ありがとうございます。
    艶が戻っているので嬉しいです。
    自分の物ながら杢の美しさに惚れぼれします。
    届くのを心待ちにしています。

    • kazu より:

      なべさん
      いつもご愛用ありがとうございます。
      とてもきれいなカリンの瘤で、磨き直した時の艶感がとてもよいですね。
      使い込んだペンにしかないあの感じは本当に良いです!
      これからも永くご愛用頂ければ幸いです。