インドローズウッド??

木のボールペン木の紹介

昨年の8月末のことですが、インドローズウッドが減ってきたので仕入れに行ってきました。
その際に1つ謎が出来てしまい、色々と調べていたことが少し進展したためブログにてご報告いたします。
ということで今回はその『謎』の原因である、インドローズウッドの仕入れの時のお話です。

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インドローズウッドのペン

当店のインドローズの仕入れ先は同業者の木工屋さん。
そちらの工房では数十年前にインドローズでガラス切りの柄を製作していたんですが(昔のガラス切りは天然ダイヤを使用した高級品で、柄もローズウッドだったそうです)、メーカー側が人工ダイヤの兼価なガラス切りにシフトし柄もプラスチックとなったため、仕入れたインドローズの材だけが残ってしまったそうです。
(材の品質は申し分ないのですが、インドにてガラス切りの柄用の小さな角材に加工されて運ばれてきていたため使い道がなかったとのこと)
と、そんな話をしながら、その工房の大将に案内してもらいインドローズウッドの保管場所に。
そこは驚くことに簡単なトタン屋根があるだけのほとんど屋外と言った状態の場所で、インドローズは輸入した時のままの麻袋に入れられて無造作に積まれていました。

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インドローズウッドの山
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袋から出したインドローズウッド
ずいぶん長いことこの場所に放置されていたみたいで麻袋は一部破れ、積んでいた状態から崩れてしまっていたものもあり砂や土をかぶっていたり、草のツルが絡まっていたりしていました。
しかし、そこは強靭なローズウッド、表面こそ白くなっていたりしていても、虫食いも割れもほぼ皆無で、少し削れば綺麗な表面が顔を出す最高の良材でした。
しかし、上記の材はうちの工場にある材とは違ったんです…
以前の仕入れは親父がしており、麻袋の材と共にもっと大きい材を仕入れていました。そっちの材がかなり良かったのでないのかなと、工房の大将に聞いてみたところ、麻袋の山の奥にあるから一緒に持ってっていいよとのこと。
指差された場所を見ると、確かに見覚えのあるローズウッドが…
そんなわけで、材の横に軽トラを寄せて、せっせと荷台に積んでいくこと小一時間。

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積み終わった材
*奥の麻袋に入った材と手前の長い材の二種類があるのがわかると思います
何とか積み終わってから大将とお茶を飲みつつ世間話をしている時に、そう言えば麻袋に入った材はみんな小さい角棒になってたけど、外にあったローズウッドは何が違うんだろう?と聞いてみたところ、

「あれはインドローズじゃなくてジャカランダだよ」

との返答…あぁ、ジャカランダね、表記上は『jacaranda』で頭にJがつくけど、南米(ブラジル)だと英語じゃなくてスペイン語やポルトガル語だから『ハカランダ』って発音のが正しいんだよなぁ…そっかハカランダなんだ…
っておい、ハカランダってブラジリアンローズウッドか!?
っと、マンガのようにワンテンポ遅れて驚き、あ、でもハカランダってローズウッドの総称で色々あるし、まさかなぁ…と思い、何ローズウッドで何処産なのか聞いてみたところ、
「ジャカランダはジャカランダだよ。産地は南米でパナマから船便で横浜まで運んだもので、楽器用の材だったんだけど、インドローズの入荷が遅れてガラス切りの柄の納期に間に合わないってんで代用で仕入れたんだ」
とのこと、ひょっとしてひょっとするんじゃないかと思い、その後も色々と話を聞いてみたんですが、それ以上の事は分からずじまい。
今までインドローズウッドとして販売していた材の一部がインドローズじゃなかったことにショックを受けつつ、じゃあいったいあの材は何なんだ??
と言う『謎』が生まれ、それから毎日あれこれローズウッドについて調べる日々が始まりました…

ちなみに、この話を親父にしたところ、全部同じ材だと思ってたとの返答(^_^;)
この時点でわかっていたこと、
・インドローズとは別の南米産のローズウッドでジャカランダと呼ばれていること。
・楽器用の材としてパナマから船便で日本に輸入されたこと
・削れば甘い香りがし、適度な粘りと堅さで色艶も良く、ローズウッド特有の特徴があること。
・当店にある南米産のローズウッド系の材(ココボロ、キングウッド、チューリップウッド)と比較した場合、明らかに特徴が異なること
ということで、次回に続く!

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